「愛・夜明け前」

〜「めぞん一刻 ミュージック・ブレンド 2」tr.27〜
自分が墓まで持って行きたいこのアルバムのラストを飾るのがこの曲。
これまた自由な発想で展開する変わった曲。
イントロは静かなマイナー調のピアノメロ。ここら辺はまさに「夜明け前」。しばらくして曲は一転、いきなりエレキがギュワーンと入ってくる。ここが「夜明け」っぽい。また曲はちょっと静かになり、ハーモニカの切ないメロディが奏でられる。それも長くは続かず、こんどはSlap Bassの高速弾きを挟み、ストリングスメロが流れ出す。Slap Bassはそのままベースラインを担当し、ドラムも入ってくる。こかが「溜め」の部分で、最後に弾ける最高のメロが待っている。エグく切ないストリングスとかっこいいエレキのコンボは本当に心地いい。そのままフェードアウトしていくのかと思いきや、最後の最後でちょっとした仕掛けが。なんとアルバム1曲目のイントロの鐘の音がインサートされ、クロスフェードしていくのだ。その鐘もフェードアウトして曲は終わっていく……。
このブログの一番最初の紹介でも書いたが、アルバムを通して聴くと「一刻館という仮想空間での現実がエンドレスに続いて行くように感じられる」のだ。単なるBGM集という枠に捕われない、この構成力には惚れ惚れする。