「来訪〜Opening〜」

〜「DEEP FEAR」tr.1〜
いまや“Jホラー”の第一人者となってしまった川井憲次。自分は数ある川井ホラーサウンドの中でこのアルバムがいちばん好きだ。当時はプレイステーションの「バイオハザード」が大ヒット。このゲームはそれをパク……もとい、その流れに乗って発売されたセガサターンの3D深海ホラーアクションだ。この年の初旬に川井憲次は映画「リング」サウンドを手がけ注目を集めていたので、セガ川井憲次を起用したのはとても自然な流れだ。
しかしここで川井憲次「リング」とは全く違うサウンドを披露した。“物悲しくも美しい”というノリは師の得意分野であるものの、そこに軽快なパーカッションによるアクション性を加味してきたのだ。これはかなり心地いい。このオープニングテーマは、とくにそれが色濃く現れている。ゲームサウンドとはいってもCD-ROMのゲームであるから、奏者はいつも通り、パーカッションには菅原裕紀、そして内田ストリングスが迫力の主旋律を奏でる。女性コーラスも不気味さを醸し出し、彩りを添えている。
こんなサウンドを聴かせられればゲームもやってみたくなるというもの。幸い中古で本体、ソフトともに安価で手に入る。しかもこのゲーム、とても簡単で、誰でもクリアできるような難易度なのだ。オススメの一品である。