「lain」中村隆太郎監督が死去、すい臓がんのため数か月にわたり闘病。

http://www.narinari.com/Nd/20130722414.html


川井憲次ファンには、長年謎だった幻の作品がありました。
それが『ちびねこトムの大冒険』です。


1992年に制作され、あの『lain』の中村隆太郎さんが監督し、作画に沖浦啓之さんが関わっていることくらいしか情報がなく、しかも完成していたのに劇場公開されずにお蔵入りしていたとか。


しかし数年前に権利関係がクリアになり、ようやく広報を始めたとの情報が。
ツイッターアカウントを取得されていたのでコンタクトを取ってみたところ、
いろいろあって広報を手伝わせていただくことになって。


そこで制作したのがWeb用のトレイラーです。

http://www.nicovideo.jp/watch/1350046367

中村監督らしさを出しつつ、川井憲次ファンとしてオイシイ映像に編集したつもりです。


本作は、体裁こそキッズアニメですが、中村監督らしい「不穏な空気」も纏った作品です。その象徴が羽のある猫「レオニス」でしょう。キャラクターデザインの大橋学さんは「ヤツは力石ですよ」と語っています。たしかにアップになると力石にしか見えません。『あしたのジョー』にも関わった大橋さんならではの迫力です。大塚明夫氏の怪演も手伝って、非常に印象深いキャラになっています。


目の肥えたアニメファンには「作画アニメ」としても楽しめると思います。随所に出てくる背景動画は「無茶しやがって!」的な目を見張るものがあります。
ちなみに今をときめく神山健治監督も美術スタッフとして参加していたりします。


そして、川井憲次の音楽も忘れてはなりません。
川井サウンドスキャットでお馴染みの広谷順子さんが歌う主題歌を始め、アコースティックな癒しのサウンドから、後の『無責任艦長タイラー』に繋がるダンスポップや、『ブルーシード』を彷彿とさせる荘厳なバラードまで、バラエティに富んだサウンドを楽しめます。
サントラが未発売なのが惜しいですね……。


もっと注目されてもいい作品だと思うので、この機会に興味を持たれた方は、公式サイトまで問い合わせを。

http://chibinekotom.com/

上映会などの提案も受付中とのことです。


中村監督のご冥福をお祈り致します。