本当にあった怖い話。

今日の帰りの道、件の「憧れの優等生」を聴きながら軽快に自転車を漕いでいた。坂に差し掛かるところで曲が終わり、次の曲がかかる……。
「しまった」と思った。
が、もう遅い。
このプレイリスト、「憧れの優等生」の次の曲は「藤ねえのテーマ」だったのだ。前述の通り、「憧れの優等生」は衛宮家の食卓のテーマ、そしてこの食卓を支配しているのは藤ねえだ。この曲順の配置はごく自然な流れだったのだ。ちゃぶ台に並ぶ豪華絢爛な朝食のメニューに眼を輝かせる藤ねえ。しかしその前に底なし大食家セイバーが立ち塞がる。藤ねえの「オカズ独り占めの野望」は儚く打ち砕かれる……そんな脱力感を表現したのがこの「藤ねえのテーマ」だ。
当然、「急な坂道を自転車で登る」には全くもって不向きなテーマ。さらに追い討ちをかけるように、その次に配置されていたのは「藤ねえのテーマ-triple time ver.-」だった。「藤ねえのテーマ」に輪をかけて脱力度を増した、川井憲次お得意のヘンテコ3拍子バージョンだ。普段それほど苦にならない坂なのに、異様なエネルギー浪費を感じるこの脱力コンボ……音楽の力は偉大だと思った。