「ネクサス -Heroic-」

〜「ウルトラマンネクサス オリジナル・サウンドトラック」tr.44〜
ウルトラお約束サウンド、“ウルトラマンによる戦闘のテーマ”。宮内國郎による「激闘!ウルトラマン」に始まり、冬木透の「われらのセブン」「夕陽に立つウルトラマン」「ぼくらのエース」や、矢野立美の「光を継ぐもの<M-13>」など、これまで数々の名曲が生まれてきた。その歴史に新たなる一歩を刻むのがこの曲、「ネクサスのテーマ」だ。これまでの曲群の影響もあってか、川井憲次も「ウルトラマンに対するイメージは金管楽器」という結論に至った。金管メロにストリングスのフォローというのは川井憲次の得意分野だ。ウルトラサウンドとしても王道な楽器選択、そこに軽快で重厚なパーカッションが加わり、爽快感溢れる曲に仕上がった。
そしてこの曲は多数のアレンジが創られた。中でも強烈なインパクトだったのがダンスアレンジの「ネクサス -Voice to Call-」。ウルトラマンに変身する人物が物語中盤でバトンタッチするという衝撃の展開にマッチした絶妙なアレンジで、メロディが一緒でここまで“変わった!”と思わせるテクニックには脱帽したものだ。エピローグで流れたバラードバージョンの「未来へ…」も印象的だった。
このように物語全体を通して様々なシチュエーションンに対応してきた「ネクサスのテーマ」。長いウルトラサウンドの歴史上、ここまで物語と密接した「ウルトラマンのテーマ」はなかったと言えるだろう。ウルトラファンとして、川井サウンドファンとして、この曲との出会いは至上の喜びだ。