ネクサス最終回。

ツッコミどころは多いが、燃える展開だった。9ヶ月を通して描かれてきたものが凝縮されていた。とくに孤門が凪に叫ぶ辺りからなんか涙腺が……。
ウルトラシリーズの最終回って、意外と盛り上がらないものが多いんですよね。「マン」「セブン」「ティガ」くらい? エースなんて突然子どもに説教たれて帰っちゃったし。
では話に沿って感想など。
まず「ネクサス -Disappear-」(「ウルトラマンネクサス オリジナル・サウンドトラック」tr.20)。やっぱ「始まり」はこの曲だよねぇ。第1話冒頭もコレだったもんねぇ……。
詩織隊員が撃たれたのは「イヤーッ!? 私のガンダムが!!」って感じ。<意味不明
イッシーがセントラルドグマに!<ちがう 山岡一って誰やねん。ザギが黒幕ってことでノアが出てくるのは読めた。
ナギトラマン、変身のしかた間違っとるよ。それ、ダーク系じゃん。女性の「ジュア!」な声は新鮮だった。で、特撮ファンであれば「ネクサス」という作品が「ウルトラNプロジェクト」の一環で総決算ってことは周知の通りだろうけど、「ネクサス」しか知らない視聴者にとっては「誰や、ザギって?」って感じだと思うんだけど。
ザギ登場。「殺戮者、復活」(「ウルトラマンネクサス オリジナル・サウンドトラック2」tr.47)って、ザギのテーマだったのか。
隊長の「独り出動!」は泣けた。笑えるんだけど、泣けた。「ナイトレイダー -Each thought-」(「サントラ2」tr.44)がまた哀愁漂ってて「独り出動!」にピッタリだった。自分もアレ、やってみたい。
「あきらめるな!」うん、姫矢くんの受け売りだけどいい感じだ。自分の台詞として喋ってる。成長したな、弧門くん。凪×弧門くんは「ウルトラタッチかー!?」と思い。そのままノアになるのかと思ったけど、とりあえず外に移動しただけみたい。まぁ、番組名は「ウルトラマンネクサス」なわけだから、とりあずコレで正解。
弧門くん変身。おー、いよいよか! 最後までナギトラマンのままでもそれはそれで面白かったかもしれないが、こっちの方が燃える展開。「ネクサス -Encounter-」(「サントラ1」tr.2)「ネクサス -Final Fight-」(「サントラ1」tr.45)のコンボも燃え燃え。やっぱ「Final Fight」だし。
姫矢くん登場。取って付けた感じだが、「やあ、久しぶり」ってことでOK。そして久々のジュネッス。やっぱネクサスちゅーたらこっちですよ。ああ、ファンサービスだよなー、これって。久々にオーバーレイシュトロームも見られたし。でも姫矢くんが出てきたってことは憐も出てくるのは読めたから、そのタイミングでジュネッスブルーに。まぁ、「ジュネッスがジュネッスブルーより弱いのか?」とか腹の立つ疑問は置いといて、と。
アローレイシュトローム、破れる。「イズマエルを倒した技も利かないのか!」いや、通常技で倒されるイズマエルが弱いんであって、これくらいで死んだらラスボスじゃありません。
凪の「ウルトラマンは負けません」の声とともに子どもが叫ぶ。「前も新宿で悪い怪獣をやっつけてくれたもん!」みんな「俺も覚えている!」とか言ってるし。ダメじゃん、MP。あ、いや、ここは「人の意思は簡単に消せるものではない」と感動しなきゃいけない部分か。
人々の声援を受けて、いよいよノア登場。ティガの最終回みたいな展開だが、ノアに関しては伏線も根拠も何も無いので、やっぱり「誰や、あんた?」って感じなんでしょうけど。あ、いや、嬉しかったですよ。「ついにノアが映像デビュー!」ってね。一連の流れを効果的に支えたのが「ネクサス -New Beginning-」(「サントラ2」tr.1)。
なんかノアが出てきてからザギはやられっぱなしで、弱っちく見えた。ここまでくると完全に「ウルトラマンノア」という作品になっちゃって。「ネクサス」が乗っ取られた感じもしないこともないですが。ま、「ウルトラNプロジェクト」の総決算と考えれば許せなくもない、か。
スペシュゥゥウムッ、どっかーん。地上と大気圏外からの打ち合いって、まぁ、スケールはでっかくて燃えるもんがありますが、演出がイマイチ迫力なくて。「ウルトラマンならこんなもんだよね」と諦めて許容してしまう大人的視聴方法で乗り切る。ラストは「未来へ…」(「サントラ2」tr.49)。うん、大団円に相応しい曲だ。久々のリコ登場も、いいっちゃいいんですが、実際のリコの存在自体が幻みたいなものだから、これって弧門くんの妄想? とか、まあ、それはさておき、なんでまだビーストがいるの? ビーストの根源である劇場版のザ・ワン(<「ジ」じゃない)とネクスト(ネクサス)の関係とノアとザギの関係とか考えると矛盾だらけな気もするが、まぁ、詩織隊員も生きてたし(別にファンというワケじゃないんですが)、ラストの「諦めるな!」もいい感じだったんで、良しとしましょう。
前半、鬱展開なシナリオのもたつきがあったり、短縮された「ザ・サード」の物語が消化不良だったりしましたが、通して考えると、これほど楽しんだ「ウルトラマン」もそうそうないので、良い作品だったと思いますよ。それもこれも川井サウンドの力が大きいと思うのですが、それを差し引いても「リアルウルトラマン」というコンセプトは非常に意義のあるものだったし、これで打ち切りにしてしまうにはもったいない素材。幼児向けのマックスみたいなノリと平行して、今後もこのコンセプトのウルトラマンの登場を願っております。それこそガンダムの「宇宙世紀モノ」と「アナザーガンダム」の違いみたいに、「大人向けはビデオ展開で続ける」ってのもアリだと思うワケで。
最後に。川井さん、素晴らしいサウンドをありがとう! 川井憲次万々歳!!