「恐怖の揺曳」

〜「the Ring2 Soundtrack」tr.3〜
「リング」と「リング2」では、「エイリアン」と「エイリアン2」ほどに音楽のノリが違う。前者が“静の恐怖”なら後者は“動の恐怖”。音的には「DEEP FEAR」などに近い。
曲の序盤の静けさは、ガラスが砕けるような音とともに崩壊し、攻撃的なストリングスサウンドへと変化する。突き刺さるようなパーカッションも印象的だ。曲の中盤はまた静寂が戻り、旋律がなくなる。そこには呻くような“空気感”が漂う。最後は不気味なヴォーカリーズがぼんやりと消えていく感じで幕。
しかし実際のところ映像的に「リング2」は「リング」よりコワくない。起こる現象があまりにも超常的すぎるのだ。「コワさ」や「痛さ」というものにもリアリズムが必要だと思う。「リング2」はそこら辺のいいかげんさを音楽の強烈さでごまかしている感じがするのだ。