「プロポーズ」

〜「めぞん一刻 Music Sour」tr.59〜
自分がちょうど音響の専門学校に通っていた頃、「音効さん」という深夜番組が放映されていて、けっこう流行っていた。普段日の目を見ない番組制作の裏方である「音響効果」の仕事に携わる人たちの紹介や、音が画面に及ぼす影響の大きさなどを実験する番組だったが、その中で「全国音効さん必携アイテム」としてこのアルバムが紹介されていた。「喜怒哀楽バラエティに富んだ様々な曲が収録されているので、これ1枚あればどんな番組にも対応できます」とのコメント。「あー、コレ持ってる持ってる」と、さっそく番組制作の実習のときに持っていって他の人に見せびらかしたりしたものだ。うん、懐かしい。
さて、本題。この曲は実に面白い。Aメロが同じめぞんの楽曲「風のシンフォニー」(「めぞん一刻CDシングルメモリアルファイル」Disc.1/「めぞん一刻サウンド・シアター3」tr.45/※「風のシンフォニー その2」は「めぞん一 Music Shake」tr.51)、Bメロが「陽だまりの告白」(「めぞん一刻 Music Blend 2」tr.7)のBメロからいただいているのだ。Aメロはアコギにアレンジ、Bメロは原曲と同じくストリングスといった流れ。異なる複数の曲を違和感なく繋げてしまう発想と手腕に感動した、というにはあまりにものどかでやすらぐ曲。雰囲気は“よく晴れた秋の昼下がり”といった感じか。
ちなみに先に触れた通り、実際本編のプロポーズで使用されたのは「暁に鐘は鳴る」の別バージョンであり、この曲のタイトルは「ぼくのたみにみそしれる」などプロポーズに至るまでの一連の微笑ましい流れを客観的に温かく見守ってくださいな、というような雰囲気の曲、というような意味合いを込めて、あー、考えすぎ考えすぎ。