奥特曼。

中国版ウルトラマン「奥特曼」の音楽を川井憲次が担当する可能性はあるのだろうか??
かつてウルトラサウンドを手掛けた人たちは、ほとんど例外無く複数のウルトラを受け持っている。

宮内國郎……「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ザ・ウルトラマン」「ウルトラQ dark fantasy
冬木透………「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンA」「ウルトラマンレオ」「ザ・ウルトラマン」「ウルトラマン80」「ウルトラセブン・ビデオシリーズ」「ウルトラマンネオス」「ウルトラマンコスモス
風戸慎介……「ウルトラマンUSA」「ウルトラマングレート
佐橋俊彦……「ウルトラマンパワード」「ウルトラマンガイア」
ジェイムス下地……「ウルトラマンゼアス」「ウルトラマンゼアス2」
矢野立美……「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンコスモス2」「ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス」

宮内國郎は「ウルトラQ dark fantasy」のメインテーマで久々の登板となったが、これはお世辞にも良いものとは言えなかった。
一番多くのウルトラを手掛けている冬木透はウルトラサウンドの原型を確立した。しかし「80」を頂点に、そのパワーは下降気味。「コスモス」では己が想像し、すでに記号化されている「ワンダバ」に対し、原点回帰ともいえる新たな回答を示したが、かつてのパワーは感じられず。
うる星やつら」「キン肉マン」「未来警察ウラシマン」などで知られる風戸慎介は、悲しいかな最近ではほとんど名前を聞かない。
ジェイムス下地は置いておいて、と。
矢野立美は「打ち込みドラムと管楽器」という平成ウルトラサウンドの基礎を築いた人。冬木ライクな王道ウルトラサウンドも手掛けられる貴重な戦力だ。しかし近年の「劇場版コスモス」シリーズでの仕事ぶりはイマイチな感じ。
佐橋俊彦は「平成仮面ライダー」なども手掛ける第一線の特撮サウンドクリエイター。「パワード」を自ら「失敗」と言い放ち、「ガイア」でそのリベンジに見事成功。冬木ライクな王道のノリを取り入れ、見事自分のモノとして昇華した。

こうやってみると、大事な中国版第一弾を任せる人選というのも絞られてきたような気がする。
大御所の冬木、定番の矢野、最前線の佐橋、そして最新のウルトラサウンドクリエイター川井憲次、この4人が有力と思われる。パワーの落ちた冬木、矢野を外すと、佐橋&川井の勝負といったところか。
しかし我らが川井憲次は、すでにフランスや韓国などの映画音楽を手掛けており、海外との仕事には慣れている。「攻殻機動隊」での世界的評価も高い。これはもう「奥特曼、もらったぜ!」というようなもの?
広大な中国全土で川井サウンドが鳴り響く日も近い……かも。